2012年6月20日水曜日

iPhone のアプリを調べること

iPhone を買い、iPhone のアプリを作るようになり、出回っているアプリをより積極的に使うことが多くなった。それは自分が思いついたアプリが既に誰かが作っていないかとかいうことを心配して調査を熱心にするようになったのではない。アプリは丁度、スナップ写真のようなもので誰かがすでに富士山のスナップ写真を公開していたら、そのあとから同じ富士山のスナップ写真を公開したからといって非難されることがないように、同じ機能もの(まあ、デットコピーは論外だけど)を公開することに何等ためらう必要ないはず。
そうではなくて、表現手段としての iPhone のアプリを考えたときに、その表現方法として実際の「作品」に興味が出てきたということなのだけれども、都合の悪いことに、大抵のアプリの紹介サイトでは「商品」としての紹介に記事はあるけれども、「作品」としての表現方法や技法の巧拙に関しての批評記事を載せているところはない(いや、もしかしたらあるのかもしれないけど、とにかくまだ巡りあっていない)ので勢い自分で実地に調べてまわるしかない、ということなのだ。
いまのところ値段のあるものを調べる余裕はないけど、タダのアプリだけを調べるのも時間が掛かる、というか調べきれない。
アプリは直感的に利用できることが求められているので(ヒューマンインターフェース・ガイドライン的に)使用説明書があるものは殆どない。それでダウンロードしてきたアプリの使用説明書を自分なりに作成するつもりで操作してみることになるけど、これが時間がかかり、そもそも作り手側の意図が理解できなかったりする。
だから、そういうことを専門に調べて(もちろん各分野のライターが分担して)紹介記事を掲載してくれるサイトが一番欲しい。

2012年6月18日月曜日

「かずらき」フォントの話

アドビのフォント「かづらき」は、藤原定家の墨蹟からデザインを起こした変り種で、以前から話題にはなっていた。
Adobe EDGE 2009/02
NHK美の壺#207「フォント」
(日曜美術館でも採り上げられたことがあったような気がするけど、リンクが見つからない)

けれども、フォントとかいう商品を買うことはないデザイナー屋ではない者にはちょっと手の届かないものだった。値段はそんなに高いものではない(映画のDVDを1本買うと思えば、そのくらいの値段だった)けど、使う機会がないし、面白そうだからという理由で買う程、金の使い道に困っているわけでもない、というか金にはいつも困っている。
ところがアドビのCSをバージョンアップ(このバージョンアップもアドビのバージョンアップ方針変更で止む得ずした感じ)の景品で入手することができたので使ってみたくてしかたがない。

そこで問題が浮上する。
・フォントをアプリに埋め込んでも良いのだろうか(ライセンス的な意味で)
→埋め込んでみたけど、特殊なフォントのせいか、勝手にほかのフォントに置き換わってしまいます。
・フォントをアプリに埋め込んで表示してよいのだろうか(Apple のヒューマン・インターフェース・ガイドライン的な意味で)
→埋め込めないので考慮する必要なし
・iPhone で縦書きのアプリは許容されるのだろうか(Apple のヒューマン・インターフェース・ガイドライン的な意味で)
→埋め込めないので考慮する必要なし
・iPhone が縦のときにメニューが転置して表示するように動作を変更してもよいのだろうか(Apple のヒューマン・インターフェース・ガイドライン的な意味で)
→埋め込めないので考慮する必要なし
・そもそも、そんなことできるのか
→埋め込めないので考慮する必要なし

※Apple のヒューマン・インターフェース・ガイドラインに沿っていないと審査で落とされてAppStore に並べることができない(ということは、今回作った脱力系アプリはどうやらガイドラインを潜り抜けることができたということなのです、作った本人が信じられない)

考えると問題山積なので、しばらくは「かづらき」フォントの出番はなさそうです。



このアドビのおまけで手に入れた「かづらき」フォントは「Light」の接尾辞がついている、使ってみるまで気がつかなかったけど、本来は含まれているはずの漢字が収録されていない。「質」は表示できないということが判明する。
さっそく、和歌のデータベースをエクセルに落としてフォント表示を確認してみると、「鶯」「袖」「涙」「峰」「庭」「郭公」「蛍」などが表示できない、そして、これらをひらかな表示にするとわかりにくい和歌もあるみたい。

アプリストアへのリンクの宣伝アイコンを作成する

世間並みにAppStore のアイコンをページに貼り付けたいと思い、作成する。

・AppStore のアイコンは「App Store Resource Center>>Marketing Resources」に通常の(つまり英語版)のバッジイメージとCJKV系の多言語版のものがフォトショップのデータとして用意されているので、それをダウントードしてきた。
・題字は折角アイコンを作るのだから、変ったフォントを使いたいと探して「しねきゃぷしょん」をダウンロードしてきて使う。
「しねきゃぷしょん」(http://chiphead.jp/font/htm/cinecaption.htm)

フォトショップを立ち上げて、ダウンロードしてきたAppStore のバッジイメージと作ったアプリのアイコンをレイアウトして、「しねきゃぷしょん」でまぬけな文句を書き付けておしまいな簡単なお仕事でした。
ただし、このAppStore のバッジイメージの利用法には色々と制限があり、レイアウトを傾けたり、バッジイメージの配色を変えたりすることはできない。また付随するキャッチコピーに「アプリストア」やiPhone 等の商品名を記述してもいけない。
「AppStore Marketing Guidelines」に書かれている断り書きは守るようして作成する(逆にいえば、色々制限があるので意匠を凝らす手間をかけなくて済むと思えば楽になる)


2012年6月13日水曜日

アプリの制作方針

iPhone のアプリを作成するのに留意したことがある。
パソコンなどのプログラムを作成する場合には、機能やユーザの利便性が開発目標の中心になると思うが、 iPhone のアプリの場合にはこの事情が違うらしい。

「写真は手軽に撮影できるだけでなく、その被写体の選別を通じて、撮影者の趣味をも仄めかす、簡便な自己表現ツールとなった。
 このように、スマートフォンやタブレットの登場によって、個人のコンピュータ利用シーンは多様化した。そこで提供されるアップ自体も、より個人的な趣味・嗜好に合致するような、微妙なテイストやトーンを反映したものになる。スマートフォンが日常生活の随所で利用されることで、アップ自体も生活デザインに繋がる、工芸に近いものが求められる。つまり、アップは一つの制作物、作品のようなものとして見られる。なぜならば、先ほど写真について記したことと同じことがアップ全般についても当てはまるからだ。生活を彩るようなアップは、そのアップの開発者の思想や指向性を反映したものとみなされる。こうして、アップ、つまり、ウェブのソフトウェア開発は文化的な創作活動の側面を増していく。」
新潮 2012 6月号 p240-243「アメリカンスケッチ2.0 第二十四回ギークはロックスター」池田純一

長々と引用したけど、つまり、スマートフォンのアプリは写真や同人誌のような創作物であり、人と人とのコミュニケーションを繋ぐツールであり、媒体なのだ、ということらしい。工芸品としてのアプリを作成するのに工業製品としてのプログラムを作成する態度が適切であるのかどうかの議論はあるけれど、とりあえず、目的が同じ、機能が同じなアプリを作ることには全然問題がないらしいことがわかる(工業製品の事務用椅子や机でも様々な意匠の製品があるように、スタイルやセンスをユーザに訴えるものならば、たとえ Apple や Twitterが既に製品化しているようなアプリでも、難しいかもしれないが、十分にユーザの支持を集める可能性があるという話なのです)

そういう訳で、iPhone のアプリは趣味・嗜好に走ることにしたのでした。

iPhone アプリ「DayShooter」の作成メモ



iPhone のアプリ「DayShooter」は元々は自分のために書いていたラノベのなかでヒロインが遊んでいるガジェットとして構想したもので、簡単に作れそうだと思い制作した。
しかし、肝心大本のラノベは途中から物語が進まなくなってしまい、未だに書き進む目処がたたない状態で放置している。
アプリの内容は単に画面に映った標的をひたすらトリガーボタンを叩いて射撃するだけのもので、「ゴッコ遊び」の素材的な要素に特化した。
ユーザはどのような「ゴッコ遊び」を考えていても構わない。
そのユーザの妄想を邪魔しないために、スコアが一応ついているがスコアは全く保存されないし、高得点をとってもなんら特典がないように決めた。

※このアプリを面前で使われると多分相手はムカつくと思うので、ユーザには十分留意して欲しいところだが、そんな注意書きをどこに書いたらよいのか判らないので、いまのところユーザの良識に一任している。もともとラノベの中では構ってもらえないヒロインがいじけて主人公をピコピコこのガジェットで射撃して主人公がムカつくという場面で使われるべくして構想されたものなので、射撃された相手がムカつくのは仕様通りなのだが、ストアで不特定多数の人に公開してしまうと、なんだか心配になる。顔認識の射撃モードはテレビ画面みたいな射撃しても相手がムカつかないようなものを標的にして欲しいといまさらながらに願っている。